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【第4講(4日目)】仕上がりに差が出るお湯洗髪のコツ

 こんにちは。
 皮膚臨床技術研究会のシニアフェロー、
 牛田専一郎です。

 今日は【お湯洗髪】についてお話します。

 シャンプーをする生活から
 シャンプーをしない生活への移行。

 これができるまで
 試行錯誤する方も多いようですが
 白木さんはいかがでしたか?

 「自分なりのやり方を確立するまで
  ちょっと時間がかかりましたけど、
  いろいろ工夫する過程も面白かったです。

  みなさん、お湯洗髪をマスターすると
  髪がしっとり、さらさらになりますよ~!」

 今日は、お湯洗髪の基本と
 気持ちよく仕上げるコツをお伝えしましょう。

 ▼まずは基本をおさえましょう

 【基本の洗髪方法】
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 (1)獣毛のブラシで髪をよくブラッシングします。
    梳かす方向を変えながら、念入りに
    ブラッシングすることがポイント。

 (2)綿手袋を両手にはめます。

    シャワーヘッドを手に持ち、
    地肌近くに強めにお湯を当てながら、
    地肌と髪の根元を丁寧に洗っていきます。

    片手で髪を持ち上げ、そこに綿手袋をした
    もう一方の手を差し入れるようにすると、
    地肌まで洗いやすくなります。

    シャワーを当てる位置を少しずつ移動させながら、
    まんべんなく洗います。

 (3)綿手袋をはめた手で、
    毛先まで梳かすように洗いましょう。
    髪に付着している柔軟剤、
    抗菌剤などを落とします。

 (4)すすぎはシャワーで充分時間をかけ、
    指で髪を梳かすようにしながら行います。

 (5)タオルでよく水分をとり、
    すぐにドライヤーで乾かしてください。

 ▼仕上がりに差がつく、5つのコツ

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 ◆【コツ・その1】洗髪前に念入りなブラッシングを!
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   まずは獣毛のブラシで
   髪の根元からブラッシングをします。

   念入りとはどれくらい?
   というご質問をよくいただきますが、
   “上から下から、向きを変えて100回ずつ”が目安です。

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 ◆【コツ・その2】お風呂でよく身体を温めましょう
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   髪を洗う前に、湯船に浸かりましょう。

   暑い季節はシャワーで済ませてしまいがちですが、
   身体を温めておくことで
   地肌の汚れが落ちやすくなります。

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 ◆【コツ・その3】髪を分けて少しずつ、まんべんなく
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   シャンプーを使っていたときと同じように
   一気にゴシゴシとこすり洗いをすると
   ベタつきやにおいが残ってしまいます。

   髪を少しずつ分けて、
   強めのシャワーを当てながら
   頭皮をまんべんなく洗っていきましょう。

   綿手袋をした指先で頭皮のベタつきを確かめながら
   2往復くらい、少しずつ洗っていくとよいでしょう。

   それでもまだベタつく場合は
   往復回数を増やしてみてください。
   強くこする必要はありません。

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 ◆【コツ・その4】手櫛で、根元から髪を梳かすように
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   髪の根元から、綿手袋をした手で
   梳かすように洗いましょう。

   地肌や髪についた一次刺激性物質を
   綿手袋に付着させて落とします。

   ベタつきがちな髪の根元をしっかり洗うと
   仕上がりが変わってきます。

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 ◆【コツ・その5】新しい綿手袋をして、
          髪を乾かしましょう
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   ドライヤーで乾かすときも綿手袋をしましょう。
   髪に残っているベタつきを取ることができます。

   洗髪に使った綿手袋には
   一次刺激性物質が付着していますから、
   新しい手袋を使いましょう。

   なお、日常生活で頭皮が一次刺激性物質に
   触れていると、
   なかなかベタつきが治まりません。

   お湯洗髪をしばらく続けているのに
   ベタベタする・においが気になる、という場合は
   寝具(抗菌加工がしてありませんか?)や
   帽子(UV加工がしてありませんか?)
   を確認しましょう。

 ▼お湯洗髪、よくある2つの質問

 ■Q1.お湯洗髪を始めたら、
     髪がパサつくようになったのですが?

 →→→ A.お湯洗髪によって、
       髪の傷みがあらわになったのです。
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  リンスやトリートメントをしたあとに
  髪がツルツルとした手触りになるのは、
  髪の表面がコーティングされているから。

  お湯洗髪ではこのコーティングをしないため
  洗髪後は、あなたの髪本来の“素”の状態になります。

  お湯洗髪後の髪がパサついているときは
  一次刺激性物質との接触により、髪そのものが
  タンパク変性を起こして傷んでいるということ。

  髪は死んだタンパク質でできていますので、
  一度傷んでしまうと修復はできません。

  シャンプーやカラーリングで
  傷んだ部分はカットして、
  健康な髪が伸びるのを待ちましょう。

 ■Q2.髪を乾かしていると、手袋が汚れます。
     汚れが落ちていない?

 →→→ A.“汚れ”の正体は新陳代謝の一部です。
        心配ありません!
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   綿手袋についた“汚れ”に見えるものの正体は
   地肌の皮脂や剥離した角質です。

   先ほどご紹介したお湯洗髪のコツを実践することで、
   これらの“汚れ”を減らすことができます。

   ただし、これは自然現象であり代謝の一部ですので、
   まったく出なくなるということはありません。

   ベタつきやかゆみが気にならないようであれば
   しっかりとお湯洗髪ができている証拠です。
   “汚れ”に見えるものが出ていても
   気にすることはありません。

   洗髪前後のブラシやくしに付着する
   “汚れ”も、これと同じものです。

   詳しくはこちらで解説しています。

    ☆第151号 お湯洗髪のせい?
    『クシが汚れる理由』の秘密
     http://hisesshoku-derm.com/archives/2008/06/151.php

 ▼お湯洗髪は、あせらず、じっくりと。

 今日はお湯洗髪についてお話しました。

 白木さんも、最初のうちは
 上手くいかなくて……と、ぼやいていましたっけ。

 「シャンプーをつけてゴシゴシ洗って
  ザッと流す!
  という長年の習慣から
  なかなか抜け出せなかったんです。

  でも、落ち着いて
  ゆっくり時間をかけるようになってから
  すっきり、キレイに洗えるようになりました」

 そうですね。

 お湯洗髪・成功の秘訣は
 “ひと手間かけて、やさしく丁寧に!”です。

 肌の弱い方が
 シャンプー・リンス・コンディショナー・クレイなど
 (なかには界面活性剤不使用を謳うものも
  ありますので、ご用心)
 を使うと赤みやカサつきの原因となります。

 モニタリングのアンケートでは
 お湯洗髪を始めて1ヶ月未満の方の約8割が
 『スムーズに移行できる』『すでにできている』と
 回答しています。

 まずは1ヶ月を目標に、続けてみましょう。

 ☆お湯洗髪方法について、
  くわしくはこちらでどうぞ。
  先輩フェロー達のあみだした方法も
  ご紹介しています。

  お湯洗髪成功レポート
  http://hisesshoku-derm.com/archives/2007/03/post-14.php

 【第4講のポイント】

 ●お湯洗髪は、ひと手間かけて丁寧に。

 ●思考錯誤を楽しむ余裕を持ちましょう。

 本日の講義はここまで。

 ではみなさん、また明日お会いしましょう。

 第5講は『○○肌について学ぶ』
 をお届けします。