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【第3講(3日目)】見落としがちな間接接触について学ぶ

 こんにちは。
 皮膚臨床技術研究会のシニアフェロー、
 牛田専一郎です。

 昨日お届けした第2講では、
 “まず始めてほしい2つのこと”
 ついてお話しました。

 白木さんも
 非接触生活・実践者のひとりですが
 8つの習慣のなかで苦労した項目はありますか?

 「今も難しいと思っているのは
  8つめの【日常的に手で顔や髪に触らない】です。

  気をつけているつもりでも、ついつい
  無意識のうちに触ってしまうんですよね~」

 ▼触ってはいけない、その理由

 白木さんが苦戦しているという
 【日常的に手で顔や髪に触らない】。

 この項目を生活習慣のひとつに加えている理由は
 私たちの身の回りには、
 肌を傷める原因となる一次刺激性物質が
 あふれているからです。

 最近では、ソファなどの家具やパソコンなどの
 オフィス用品、衣類や寝具、文房具にいたるまで
 ほとんどのものに抗菌・柔軟仕上げがされています。

 「非接触生活を実践しているつもりでも、
  日常生活で無意識に触れているものに
  一次刺激性物質が付着しているのですね……」

 ええ。

 目には見えませんが
 私たちの手にはいつも一次刺激性物質が付着している、
 といっても過言ではありません。

 その手で
 そのまま自分の顔や身体に触ると
 肌の弱い方はトラブルが起きてしまうことがあるのです。

 このように、
 なにかを介して一次刺激性物質に触れてしまうことを
 【間接接触】といいます。

 ▼顔や髪を触る前に、手洗いを

 肌の弱い方の場合、
 一次刺激性物質が付着した手で髪に触り、
 その髪が顔にすこし触れただけで
 赤みが出たり、ニキビができたりすることも。

 無意識のうちに行動が多いので
 気をつけるのが難しいのですが、
 一次刺激性物質が付着したままの手で
 顔や髪に触れないことを徹底しましょう。

 手で顔や髪に触れるとき(洗顔や洗髪をするときも)は、
 手についた一次刺激性物質を落としてから。

 スターターセットのペーパータオルや手ぬぐいで
 流水のもと、手をぬぐうようにして洗いましょう。

 手の洗い方は、こちらのページをご参考に。

  ☆(8)日常的に手で顔や髪を触らない
    [手に付着した一次刺激性物質の落とし方]
   http://hisesshoku-derm.com/contents/style/nanimo08.php

 ▼家族と同居している方は「浴室」に注意

 自分は非接触生活をしていても、
 家族が石けんやシャンプーを使っていたり
 浴室を抗菌剤配合の浴用洗剤で掃除していたりすると、
 浴室が間接接触をしやすい場所になります。

 「お風呂で間接接触をしているかどうか、
  確かめる方法はあるのでしょうか?」

 お風呂上りの肌に
 赤みやカサつきが出ている場合は、
 入浴時に接触しているということです。

 蛇口には石けんやシャンプーなどの
 一次刺激性物質が付着しています。
 蛇口をひねった手でそのまま顔や髪を
 触らないようにしてくださいね。

 また、浴槽に腕を接触させていると
 毛孔性角化症が悪化します。
 家族と共用の洗面器や
 タオルにも注意しましょう。

 今回お話したことは
 どれもこれも、とても些細なことに
 思えるかもしれませんが……

 間接接触をしないよう気をつけて生活してみると、
 その効果が意外なほど大きいことが分かるはずです。

 多くの方が悩んでいる“毛穴の開き”も改善しますよ。

 【第3講のポイント】

 ●家具や文具、他人の衣服や髪との
  接触により、自分の衣服や手には
  一次刺激性物質が付着しています。

 ●特に、手には日常的に抗菌剤や柔軟剤が
  付着しています。

 ●顔や髪に触れる前に、必ず
  手に付着している一次刺激性物質を
  落としましょう。

 本日の講義はここまで。

 ではみなさん、また明日お会いしましょう。

 第4講は『仕上がりに差が出るお湯洗髪のコツ』
 をお届けします。