医師向け教科書【実践編】
1.基本の実践方法
非接触生活を実践する上で基本となる8つの習慣について解説します。
この8つの習慣は、約4,500件のモニター事例から実際に肌荒れをしたという報告のあった状況や、測定数値に大きな影響を及ぼした生活習慣をもとにまとめたものです。
現在どのような暮らしをしていても、以下の8つを行うことで、一次刺激性物質との接触が避けられるようになります。
8つの習慣
- (1)基礎化粧品、シャンプー・リンスを使用しない
- (2)肌にトラブルのあるときはメイクをしない(メイクが必要なときは、お湯のみで落とせるメイクに)
- (3)日常生活では日焼け止めを使わない
- (4)顔、身体、髪、手は水またはお湯のみで洗う
- (5)肌に触れる衣類や寝具は指定の洗剤で洗う
- (6)抗菌剤配合の浴槽用洗剤や、除菌・消臭スプレーを使用しない
- (7)クリーニングに出した衣類や寝具は直接肌に触れないようにする
- (8)日常的に手で顔や髪に触らない
(1)基礎化粧品、シャンプー・リンスを使わない
○使わない理由
本来皮膚には自ら潤いを生み出す力があります。
化粧水、乳液、美容液などしっとりした使用感のものをつけてしまうと、皮脂分泌の妨げとなり、肌は自ら潤う力を取り戻せなくなってしまいます。
また、乳液や美容液などには一次刺激性物質が含まれています。そのため使用すると角質層は変性し、皮膚のバリア力が低下しカサつくようになってしまいます。 また、角質の細胞同士に隙間ができるため、知覚神経(かゆみを感じる神経)が隙間に入り込みます。そのため、知覚神経が皮膚表面の近くまで伸びてかゆみを感じることもあります。(「バリア力が低下しカサついた肌」図参照)
シャンプー・リンスなど洗浄力や柔軟性を与えるものにも一次刺激性物質が使われています。
洗うときだけでなく、髪をやわらかく、ツヤツヤ、サラサラした手触りにしているのも界面活性剤やシリコン(一次刺激性物質)です。シャンプー・リンス、トリートメントをした後の髪は、一次刺激性物質でコーティングされているので、シャンプーした髪が皮膚に触れただけで、赤みやカサつきをおこすことがあります。
○代わりにやること
顔、身体、髪、手は水またはお湯のみで洗います。詳しくは習慣(4)を参照してください。
(2)肌にトラブルのあるときはメイクをしない
○メイクをしない理由
毎日厚塗りのメイクをしてクレンジングで落とす、という生活を続けていると、肌の敏感(弱い)な人は健康な素肌を取り戻すことがなかなかできません。クレンジング剤を使わなければ落とせないほどしっかりと付着する化粧品(下地やリキッドファンデーション、クリームファンデーション)の使用をしないようにしましょう。
クレンジング剤は一次刺激性物質です。メイクをしてクレンジング剤で落とすという生活を毎日続けていると肌の弱い人は肌を傷めてしまいます。目の周りや頬にカサつき、ニキビ、赤み、かゆみ等がある場合はアイメイクもお休みしてください。
アイメイクだけを洗い流す時であっても、洗い流すための成分が顔全体に広がります。その結果、顔全体に一次刺激性物質がついてしまいます。
コンシーラーだけでも部分的に使いたい、という方もいますが、隠したい部分は本来皮膚が傷んでいる部分です。思い切ってメイクをせずに過ごしたほうが早く健康な素肌に戻ります。
○メイクをしない代わりに
ノーメイクで過ごしましょう。
どうしてもメイクが必要な場合は「4.肌を傷めないメイク方法」を参照してください。
○補助製品
- シンプルファンデーション
- シンプルフェイスカラー(アイシャドウ、チーク、アイブロウ用に利用可能)
- 各種メイク用ブラシ(ファンデーション用/チーク用/アイブロウ用/アイシャドウ用)
(3)日常生活では日焼け止めを使用しない
○使用しない理由
一般的に日焼け止めは、汗をかいても落ちにくくなっていますので、洗顔時に洗浄力の強いクレンジング剤で落とすことが必要になります。また、ほとんどの日焼け止めは界面活性剤や紫外線吸収剤を含んでおり、毎日・長時間使用すると肌が傷んでしまう可能性があります。
日焼け止めを使わないとシミができる、日焼けをするとシミになると思っている方がほとんどです。
肌が傷んでいなければ、多少日焼けをして肌が黒くなっても元に戻り、シミが残ることはありません。
肌が傷んで修復できていない部分、つまり皮膚の炎症が続いている部分にできたメラニン(シミ)は、皮膚の色素を沈着させて内部を保護しています。
○代わりにやること
日常生活で浴びる程度の紫外線であれば、帽子や長袖、日傘や日陰をうまく利用することで充分に防ぐことができます。
状況・時間帯 | 対策 |
通勤・通学・買い物の時 | 日傘や帽子 |
公園でお子さんと遊ぶときは | 帽子や日陰を利用 |
車などの運転 | 長袖や厚手の衣類 |
夏は紫外線の強い時間帯(10時~14時)の外出を避けることも対策になります。
◎こんなときは日焼け止めを使いましょう
海や山などのレジャーで長時間、紫外線の強い時間帯(10時~14時)に屋外で過ごす場合には、最終手段として日焼け止めを使いましょう。日焼けによるダメージよりも日焼け止めによる影響のほうが小さくなるためです。
(4)顔、身体、髪、手は水またはお湯のみで洗う
○お湯のみで洗う理由
洗浄剤は一次刺激性物質です。洗浄剤とは以下の物を指します。
- シャンプー
- ハンドソープ
- ボディソープ
- せっけん
- クレンジング
- 洗顔料
健康な肌では、皮膚常在菌は皮膚に悪影響を与える細菌(悪性菌)の繁殖を抑制しています。そのため皮膚は、日常的に消毒や殺菌をする必要がない器官です。
お湯のみで洗う方法
◎顔
メイクをしていないときはぬるま湯のみで顔の汚れを落とすことができます。
また、ふだんのメイクも洗浄剤を使わなくても落とせる程度にしましょう。
◎身体
お風呂でよく温まった後、洗浄剤を使わずに洗いましょう。
手ぬぐいを使うとさっぱりします。ごしごし強くこすらず、やさしくぬぐうように洗います。
◎髪
髪はお湯のみで洗います。
お湯洗髪に慣れるまで小麦粉シャンプーを使ってもかまいません。
※詳しくは「お湯洗髪」を参照してください。
◎手
手はお湯または水のみで、指定のペーパータオルを使用して洗います。
※詳しくは「ペーパータオルを使った手の洗い方」を参照してください。
○補助製品
秘密の手ぬぐい
オーガニックコットンタオル
ペーパータオル
(5)肌に触れる衣類や寝具は指定の洗剤で洗う
○指定の洗剤を使う理由
衣類や寝具はいつも直接肌に触れています。
布地に洗濯洗剤の成分が残留していると、顔や身体に一次刺激性物質の影響を受けてしまいます。
○衣類、寝具を洗うときは
指定の洗濯洗剤は、皮膚臨床技術研究会指定の無香料の洗濯洗剤です。今使っている洗剤がなくなってからではなく、すぐに切り替えましょう。
指定の洗剤以外で洗ったものや新品の衣類は、手間はかかりますが2回以上洗いましょう。
1度の洗濯では柔軟剤等を落としきれません。
衣類だけでなく、マスクや帽子など、肌に直接触れる小物も洗濯してから使用してください。
○ウールやおしゃれ着を洗うときは
現在、柔軟剤やシリコン無配合の中性洗剤は市販されていません。
ウールやおしゃれ着を洗うときに必要な場合は、皮膚臨床技術研究会指定の中性洗剤を使うとよいでしょう。
○補助製品
洗濯用洗剤
洗濯用中性洗剤
(6)抗菌剤配合の浴槽用洗剤や、除菌・消臭スプレーを使用しない
○除菌・消臭スプレーを使用してはいけない理由
抗菌剤を配合した洗剤を使用すると、浴槽に抗菌成分が残留しています。
肌に触れた部分にトラブルが起きることがありますので、注意しましょう。また、衣類や寝具等、直接肌に触れるものには、除菌・消臭スプレーを使わないようにしましょう。
○掃除をするときは
市販されているほとんどの浴槽用洗剤には「除菌」と表示されています。
肌の荒れやすい方は洗浄剤を使わずに、アクリルスポンジなどで浴槽を洗うとよいでしょう。
除菌・抗菌剤など殺菌作用のあるものは一次刺激性物質です。
(7)クリーニングに出した衣類や寝具は直接肌に触れないようにする
○直接肌に触れないようにする理由
クリーニングに出した衣類には、柔軟仕上げがされています。
柔軟剤は界面活性剤であり、一次刺激性物質です。
コートの襟が顎や頬に少し接触しただけでも、トラブルが出ることがあります。
クリーニングに出した衣類や毛布、マフラーはできるだけ直接肌に触れないように注意しましょう。
○クリーニングに出した衣類や寝具を使用する場合
毛布など自宅で洗濯できないものには、自宅で洗濯したカバーをつけましょう。
肌に触れやすいマフラーなどは自宅で洗濯できるものを選ぶこともできます。
コートなどクリーニングに出した衣類を着る場合は、直接肌に触れないように中に着るものを工夫するようにしましょう。
(8)日常的に手で顔や髪に触らない
○手で顔や髪に触らない理由
肌の状態が気になり、顔に触れてしまうことがありますが、触れたくなっても我慢しましょう。目には見えませんが、手には身の回りの柔軟剤や抗菌剤が付着しています。その手で肌に触れると、触れた部分にトラブルを起こすことがあります。
手で髪を触ると髪に一次刺激性物質が付着し、その髪が触れた肌に影響が出ることもあります。
○代わりにやること
手や顔や髪に触る場合は、必ず手についた一次刺激性物質を、落としてから顔や髪を触りましょう。
洗顔、洗髪時にも習慣にしてください。
○手に付着した一次刺激性物質の落とし方
流水の下でペーパータオルを使用して洗います。
日常生活には、柔軟剤、抗菌剤を使用した衣類や家具、文房具等がたくさんあります。
何気なく手で触れているものには、ほとんど柔軟仕上げ、抗菌仕上げがされていると思ってよいでしょう。
それらに触れると、手には柔軟剤や抗菌剤が付着してしまいます。
また、石けんやハンドソープで手を洗った後は手に脂肪酸が残留しています。
「柔軟剤」「抗菌剤」「脂肪酸」といった物質は、一次刺激性物質です。
○補助製品
ペーパータオル
秘密の手ぬぐい
2.お湯洗髪
(1)お湯洗髪の実践方法
- 獣毛ブラシを使って上から、下から各100回を目安にとかします
- お風呂でよく温まります
- シャワーヘッドを手に持ち、地肌近くに強めにお湯を当てながら綿手袋をはめて地肌と髪の根元を丁寧に洗います。
片手で髪を持ち上げ、そこに手袋をしたもう一方の手を差し入れるようにすると、地肌まで洗いやすくなります。
シャワーを当てる位置を少しずつ移動させながら、まんべんなく洗います。 - 手袋をはめた手で毛先まで梳かすように洗いましょう。
髪に付着している柔軟剤、抗菌剤などを落とします。 - すすぎはシャワーで充分時間をかけ、指で髪を梳かすようにしながら行います。
- 洗髪後ドライヤーですぐに乾かすようにしましょう。
○注意点
- 慣れるまでは7~10分を目安に丁寧に洗いましょう。
- 手に脂がついていると、いつまでもべたつきが取れないように感じられます。一度濡れたタオルで手を拭ってから、再度触れてみてください。
- 地肌をゴシゴシ強く洗うと、フケの原因になります。やさしくマッサージするように洗いましょう。
- 髪は毎日洗いましょう。毎日頭皮の皮脂膜と常在菌を入れ替えることが、かゆみやにおいを防ぐことにつながります。
- 夜寝る前に必ず髪を洗いましょう。髪に付着している一次刺激性物質を落としておくことで、 眠っている間の接触、枕などへの付着を避けることができます。
- 慣れないうちは小麦粉シャンプーを使うとよいでしょう。
- 髪の毛を乾かす時も綿手袋を利用するとべたつきがおさまります。
○お湯洗髪後の肌、髪の変化の報告紹介
- 髪の毛に軽さが戻り、サラツヤ感も少し出てきました。(50代・女性)
- 毛先がパサついていましたが、お湯洗髪をはじめてからコスメフリークの友達に「ヘアクリームは何を使っているの」と聞かれます。(20代・女性)
(2)お湯洗髪の4大お悩み対策(ベタつき、におい、かゆみ、フケ)
○ベタつき
お湯洗髪がうまくできていないとベタつき感があります。
- 確認ポイント
- ・手順の中では1,2の実施を確認してください。
・夏は小麦粉シャンプーを使うのもよいです。
・髪が多い場合は、ブラシの代わりにツゲの櫛を使うと髪がサラサラになります。
- アドバイス
- 髪を乾かす時に手に脂がつきます。地肌の過剰な皮脂分泌も治まっていきますので、だんだんとブラシや手に皮脂はつかなくなっていきます。ただし、地肌も代謝していますので、皮脂や角質がまったく付かなくなることはありません。
○におい
お湯洗髪がうまくできていないと、においが気になります。
- 確認ポイント
- ・手順の中では1、5の実施を確認してください。
・7~10分かけて丁寧に洗いましょう。
- アドバイス
- 最初は頭皮の独特な匂いがする場合がありますが1ヶ月お湯洗髪を継続することでベタつきや匂がなくなります。
におい対策はベタつきと同じように 丁寧なブラッシングと充分なすすぎがポイントです。
○かゆみ・フケ
お湯洗髪がうまくできていないと、かゆみやフケが気になります。
- 確認ポイント
- ・手順の中では1、5の実施を確認してください。
・ブラシは地肌にあてたり、こすったりしないようにしましょう。
ブラシが汚れているとフケが出やすくなるので、指定の中性洗剤でこまめに洗って清潔にします。ブラシと同じように、綿手袋も清潔を心がけましょう。一度使用したら、指定の洗濯洗剤で必ず洗うようにしましょう。
- アドバイス
- 最初はかゆみ・ふけが気になる場合がありますが1ヶ月お湯洗髪を継続することでかゆみやふけが気にならなくなります。
◆代替品を使った洗髪について
○洗髪に使用できないもの
- お酢洗髪
- お酢の酸は"酢酸"です。
pHが2.5~3.5くらいと強酸です。お酢は酢酸の酸と、うま味成分からできています。
そのためその作用には疑問があり、結論からいうとお酢でシャンプーをしても意味がありません。
洗髪後にお酢でリンスをしている場合があります。アルカリ性のシャンプーならば、酸で中和する効果は期待できるかもしれません。しかし、今の一般的なシャンプーは酸性水ですすぐことに意味は見出せません。
石けんシャンプー後に石けんカスを酸で中和する(金属石けんを脂肪酸にもどす)ためにお酢が使われることもあります。肌の弱い人はアルカリや脂肪酸で肌を傷めることがあります。石けんシャンプーは使わないようにしてください。
- ガスール
- ガスールというモロッコの粘土があります。洗浄剤の代替として使用する方がいます。
肌の弱い方には、ガスールが赤みやカサつきの原因となります。
- 重曹・シカカイ
- 洗浄剤の代替として、様々な物を使って身体や髪、顔を洗う方がいます。重曹、シカカイなどのハーブなど。
顔、身体や髪の汚れはお湯で落とせますので、こうした代替品は、使う意味がないばかりか、中には肌に刺激となってしまうものもあります。肌の弱い方は使用しないようにしましょう。
○おすすめの代替え品
- 小麦粉シャンプー
- 髪を洗うときの代替品としておすすめできるのは小麦粉シャンプーです。(ただし、小麦粉アレルギーの方は使用をお控えください)
(3)白髪染め、カラーリング後
白髪染め
現在のところ、肌の弱い方におすすめできる白髪染めは、ありません。
髪を染めるものですから、当然ながら頭皮や肌に負担がかかります。
肌にやさしいことを謳っている製品にも一次刺激性物質が使用されていますので、週に1度、あるいは2週間に1度くらいの頻度で使用すればどうしても肌が傷んでしまいます。
白髪の伸びた部分にだけ、2週間に1回カラーリングをしている実践者は、紅斑値(肌の赤み・炎症をあらわす数値)が上昇し続けた事例があります。
ヘナは天然物質ですが、添加物として一次刺激性物質が含まれている場合があります。ヘナの利用で紅斑値が上昇した事例があります。
カラーリング後の洗髪
白髪染めやカラーリング剤を使った後、「髪を洗うと色落ちする」「髪の手触りがつるつるしている」、こんな状態が続く間は白髪染めやカラーリング剤に含まれる一次刺激性物質(シリコンなど)にコーティングされた状態です。そのため髪が触れる部分の肌に影響が出てしまいます。
カラーリング後の影響を少しでも小さくするために3つのポイントに気をつけましょう。
-
髪をいつもより時間をかけて丁寧に洗う
白髪染めをした後は、お湯または小麦粉シャンプーで丁寧に洗います。洗い流した白髪染めの成分が体に接触しないように洗面器にお湯をため、綿手袋を使って時間をかけて洗いましょう。
充分な時間があれば、お湯に色がつかなくなる程度までお湯を変えて洗います。
最後はシャワーでよく洗い流しましょう。 -
1週間程度は枕カバーを毎日変える
白髪染めに含まれる一次刺激性物質やシリコンは髪を洗ってもすぐには落ちません。
1週間程度は髪に付着しています。
髪の触れた枕カバー、寝具カバーが肌に触れるとその部分に赤みが出たり、カサついたり、ニキビができたりします。
カラーリングの影響が出続ける1週間程度は寝具カバーを毎日洗うか新しいものに取り替えると影響を小さくすることができます。 -
ヘアブラシを指定の中性洗剤で洗う
シャンプー・カラーリングをした髪をとかしたブラシには、一次刺激性物質が付着しています。
髪に付着した一次刺激性物質が落ちてもブラシを洗っていなければ、髪をとかすたびに一次刺激性物質が付着することになります。ブラシは指定の中性洗剤でよく洗いましょう。
3.間接接触
間接接触
○原因が見当たらない場合
私たちの身の回りは、抗菌・柔軟加工されたものであふれています。
つり革をつかんだり、おしぼりで手をふいたりしたただけでも、抗菌剤が手に付着します。
このように一次刺激性物質がついた手で他の部位の肌に触れることを「間接接触」といいます。
○間接接触の例
状況 | 説明 | 対策 |
制服・スーツなどクリーニング済みの衣類を着る場合 | クリーニング済みの衣類には柔軟仕上げ剤などの加工がされています。 | 肌に直接触れないようにインナーを着用したり、指定洗剤で洗濯したマフラーを巻くなどしましょう。 |
マスクの利用 | マスクには様々な加工がされています。 | マスクの間に指定洗剤で洗ったガーゼや、指定のペーパータオルをはさんだりしましょう。 |
お風呂洗い洗剤、トイレ用洗剤 | 抗菌剤が配合されています。 お風呂洗いの場合は浴槽に一次刺激性物質が付着します。 |
洗剤を使う必要はありません。 |
食器用洗剤の利用(素手で洗い物をする) | 手に一次刺激性物質が付着します。また、洗剤で肌を傷めてしまいます。 | 食器洗いなど水仕事をするときは、手袋をするか、作業をする前にワセリンを手に薄く塗るといいでしょう。 また、指定のペーパーで手を洗い一次刺激性物質を落とすようにしましょう。 |
家族と共用のドライヤーやバスタオルを使用する | ドライヤーの持ち手にバスタオルに一次刺激性物質が付着しています。 | 家族とドライヤーやバスタオルを別にします。ドライヤーは綿手袋をはめて使うことで接触を避けることもできます。 |
シャンプーで洗ったペット | ペット用のシャンプーにも一次刺激性物質が含まれています。 | ペットもお湯のみで洗います。 |
○事例紹介
目に見えて肌に影響が出ていない場合でも、肌の測定をすると些細な接触で数値に変化が現れています。以下の接触があることで、紅斑値、メラニン値の数値が上昇したことを示します。
グラフは目の下、額、頬を示します。
番号 | 内容 | 紅斑値 | 備考 |
① | 市販のおしゃれ着洗い使用 | ↑ | 布地に残留した一次刺激性物質との接触が原因。 |
② | 市販のおしゃれ着洗いの使用をやめ、サウンドスタイルの中性洗剤へ切り替え | ↓ | |
③ | アイメイクの実施 | ↑ | メイクを落とす際に顔に一次刺激性物質が付着します。 |
④ | 旅行先の寝具やタオルとの接触 | ↑ | |
⑤ | 漂白剤、週一の洗顔料の使用中止 | ↓ | |
⑥ | 友人宅での接触 | ↑ | 蛇口などに一次刺激性物質が付着しているため間接接触の機会が増えます。 |
⑦ | ASVCでの長時間パック | ↑ | ASVCは強酸であるため、長時間のパックは肌に刺激となります。 |
⑧ | 指定洗剤で洗えていないものとの接触 | ↑ | 布地に残留した一次刺激性物質との接触が原因。 |
⑨ | 髪をロングにしてからよく手で触る | ↑ | 髪から間接接触します。 |
⑩ | ASVCを使った顔のマッサージをやめた | ↓ | ASVCは強酸であるため、長時間の利用は刺激になります。 |
⑪ | 汗 | ↑ | 汗はアルカリ性なので刺激となります。 |
紅斑値が高い状態が続くと、だんだんとメラニン値が高くなり、色素沈着、くすみなど目に見えて肌の状態に影響が出てきます。
4.肌を傷めないメイク方法
毛穴や赤みをファンデーションで隠すと、肌に炎症を持続させてさらに肌のトラブルを抱えます。その結果、さらに化粧品によるごまかしが必要になり悪循環です。
美肌を目指すためには、素肌で過ごすのが最良です。どうしてもメイクが必要な場合は、ファンデーションの量は最小にするようにしましょう。
○化粧品の選び方
- ファンデーション
- ファンデーションはパウダーファンデーションを選びましょう。リキッドタイプやクリームタイプよりも肌への負担が少ないです。
- アイシャドウ/アイブロウ/チーク
- アイシャドウ、アイブロウ、チークなどのポイントメイクはパウダータイプを選びましょう。肌への負担が少ないです。
- 口紅
- 一次刺激性物質が使われているものが 大半です。特定の推奨商品はありません。
- その他
- 市販のミネラルコスメにも一次刺激性物質が含まれています。以下はミネラルファンデーションによく使われている一次刺激性物質です。
○酸化亜鉛
○水酸化Al
○ステアリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸
○メイク道具
推奨している道具
- メイクブラシ
- ファンデーション、アイシャドウ、アイブロウ、チークなどのパウダー類を使用するときはブラシを使うことを推奨しています。
※メイクブラシの毛の部分は手で触れないようにしましょう。手に付着した一次刺激性物質が付着して間接接触の原因となります。
推奨していない道具
- パフ
- ファンデーションを塗る時にパフを使うとメイクが落としにくくなりますので使用しないようにしましょう。
○ベースメイク
負担の少ないファンデーションの塗り方
- メイクの前には下地や日焼け止めは塗りません。
- ブラシの毛の部分を立てずに、一方向に軽く滑らせるようにしてファンデーションをとります。
※一度に沢山とりすぎないようにしましょう。 - 顔の中心から外側に向かってつけます。
○メイクの落とし方
メイクを落とす時はクレンジング剤や洗顔料は使用しません。
- 洗顔の前にペーパータオル、手ぬぐいを使い、手に付着している一次刺激性物質を落とします。
- アイメイク、アイブロウなどのポイントメイクは、一次刺激性物質が広がらないように濡らした手ぬぐいで軽くぬぐうようにして落とします。
- お湯で顔全体を洗顔します。
- メイクが落としにくい場合は、濡れた手ぬぐいで軽くぬぐってください。
手順2.で使用した手ぬぐいは、一次刺激性物質が付着していますので使用しないようにしましょう。
5.改善しないときの原因推測と対処方法
肌の赤み、カサつき、毛穴、にきびなどが改善しないときは、一次刺激性物質との接触の影響が考えられます。
一次刺激性物質との接触があった場合、その影響が1日以上の時間をおいて出ることはありません。
そのため、トラブルが起こる時間帯によってどんな接触があったか大体の予想をすることができます。
○肌トラブルの起こる時間帯やタイミングから予測
時間帯別トラブルへの対処方法
朝のトラブル
原因
寝ている間に一次刺激性物質が付着する
確認事項
- 枕そのものに抗菌防臭加工がしてありませんか?
- 枕カバー、寝具カバーに抗菌加工・保湿成分が配合されていませんか?
- 髪に付着している一次刺激性物質が寝ている間に髪から寝具につき、それが肌に触れていませんか?
- 夜寝る前に、一次刺激性物質の付着した髪を洗っていますか?
- 一次刺激性物質の付着した手で寝ている間に顔を触っていませんか?
- 指定のペーパータオルを使って寝る前にペーパーで手を洗っていますか?
昼のトラブル
原因
職場などで手に一次刺激性物質が付着することによる間接接触
確認事項
- 考えごとをしながら無意識のうちに顎を触っていたり、頬杖をついたりしていませんか?
- 職場の制服に着替えるとき、ヘルメットや帽子をかぶるときに接触をしていませんか?
- 職場の受話器や携帯電話を介して間接接触をしていませんか?
- マスクの着用を義務付けられていませんか?
夜のトラブル
原因
メイク落とし時に一次刺激性物質が顔に広がる
浴室で手などに一次刺激性物質が付着することによる間接接触
確認事項
- ファンデーションを落とすために手ぬぐいで強くこすっていませんか?(摩擦によって肌に赤みやトラブルが生じることがあります。)
- ポイントメイクを落とすときにメイク剤が額や頬についていませんか?
- 家族がシャンプー・リンス、石けん、入浴剤を使っていませんか?
- 浴槽、浴室を抗菌剤配合の洗剤で洗っていませんか?
- 石けんを使っている家族と洗面器やタオルを共用していませんか?
部位別トラブルへの対処方法
顔全体
原因
通常と異なる環境
間接接触
確認事項
- 最近、美容院に行きましたか
- フェイスタオルやバスタオルを新しくしましたか
- 家族と共用のタオルで顔を拭いていませんか
- ティッシュやトイレットペーパーで顔を拭いていませんか
- 毎日ファンデーションを使用していませんか
- 洗顔前に、流水の下で手をペーパータオルや手ぬぐいで洗っていますか
- 洗顔時に、手ぬぐいでこすりすぎていませんか
額
原因
帽子など額に触れるものとの間接接触
確認事項
- 帽子やヘルメットが触れていませんか
- 前髪を手でひんぱんに触っていませんか
- 寝る前に、髪に付着した一次刺激性物質を落としていますか
顎
原因
布団など顎に触れるものとの間接接触
確認事項
- 考え事をするときなど、手で顎に触れていませんか
- 新しいタオルやハンカチ、レストランのおしぼりで口を拭いていませんか
- 顎が、洗えない寝具やこたつ布団に触れていませんか
- クリーニングに出したコートやマフラー、撥水加工をした衣類の襟が顎に触れていませんか
6.スキンケアの一般常識
1)石けんについて
(1) 家庭用品品質表示法の石けんの分類
経済産業省が管轄している法律のひとつに、『家庭用品品質表示法』というものがあります。
●家庭用品品質表示法とは――
家庭用品品質表示法は、一般消費者が製品の品質を正しく認識し、
その購入に際し不測の損失を被ることのないように、
事業者に家庭用品の品質に関する表示を適正に行うよう要請し、
一般消費者の利益の保護することを目的に、昭和37年に制定されました。
( https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/system/13.html )
家庭用品品質表示法の中では、「合成洗剤」と「石けん」を区別する表示方法を示しています。これが、『石けんはお肌にやさしいもの』と一般消費者に誤認させる原因のひとつになっているようです。
(2)石けんの特徴と脂肪酸の皮膚刺激性
・石けんの特徴
石けんは水で分解してしまう性質を持っています。そのため、環境にやさしいと解釈されてきました。また、法律の区分により石けんが界面活性剤ではないような伝えられ方をすることもあります。
しかし、石けんは脂肪酸とアルカリを化学反応させることによってできた、界面活性剤です。界面活性効果のある物質が皮膚や細胞に接触すると、たんぱく変性が起こります。
また、洗い流した後にも遊離脂肪酸が肌に残り刺激となることがわかってきています。
・脂肪酸の皮膚刺激性
脂肪酸がニキビや毛穴の黒ずみの原因という報告は複数されています。(注:参照論文)
一般に石けんに使われる脂肪酸はラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)などです。それぞれCの数に注目してみると石けんに使われている脂肪酸の炭素数は、12~18のものが主体ということが分かります。
炭素数が12以下の場合は強い刺激性があり、14以上は刺激性は弱くなると言われています。(参照:日本石鹸洗剤工業会「せっけんメモシート(4)石けんはこうしてつくられる...脂肪酸の種類と性質」)
また、炭素数が14以上の脂肪酸でも皮膚の刺激となるというデータもあります。
(参照:『ザックス有害物質デ-タブック』
N.Irving Sax、Richard J.Lewis,Sr.〔著〕藤原鎮男/監訳(丸善、初版、1990)129頁、38頁、446頁、595頁、643-644頁、648頁
「神奈川県環境科学センター化学物質安全情報提供システム」
http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/kisnet/menu.asp)※現在は削除されています。
脂肪酸は炭素数の多い少ないにかかわらず刺激性があると示されています。
一般的に石けんはパーム核油とパーム油、牛脂とヤシ油等を混合して製造されています。
これらの油脂には、炭素数の少ない脂肪酸が含まれています。
(参照:『新界面活性剤』堀口博 三共出版(1975)p274)
石けん成分やヤシ油など油脂由来の界面活性剤を使った洗濯洗剤で洗濯しているモニターは、皮膚トラブルがなかなか改善しないという事例があります。
非接触生活では、洗顔時の石けんの使用だけでなく、石けん成分や油脂由来の界面活性剤を使用した洗濯洗剤も使わないよう指導し、改善した事例があります。
2)保湿について
健康な肌には汗と皮脂から作られる天然の保護膜(皮脂膜)があり、肌に潤いや滑らかさを与え外界からの刺激を守る働きをしています。洗顔をした後は皮脂膜が洗い流されますが、皮脂膜は自力で再生します。皮脂膜は皮膚の外側で肌を守っています。
肌が乾燥していると感じるときは、一次刺激性物質との接触によって、皮膚の細胞間脂質が変性・脱脂されて接着力を失い、角質片が剥離して立ち上がって、がさがさとした手触りになっています。
この状態にしっとりした乳液やクリームをつけると、化粧品に含まれる界面活性剤によって肌はさらに脱脂され、皮脂膜が自力で再生する機能を妨げてしまいます。クリームをつけて潤って見えるのは肌の表面を乳液やクリームが覆っているからです。
皮膚の役割は体内を守ること。外側から化粧水や乳液、クリームを与えても修復はできません。修復は内側からしかできないからです。いちど角質が立ち上がってしまったら、白色ワセリンの部分的な使用を推奨しています。ワセリンで角質を肌にくっつけて誤摩化し、自然に剥離するのを待ちます。
※白色ワセリン
成分にBHT(ジブチルヒドロキシトルエン:酸化防止剤)などの添加物が含まれていないものを推奨。オイルよりワセリンを推奨する理由は、オイルよりも融点が高く落ちにくいこと、精製度が高い炭化水素のためアレルギーが出にくいというメリットがあるためです。
3)紫外線について
(1)日焼けのメカニズム
- 紫外線を浴びると、色素細胞は「メラニン」を作り出します。
- そして、メラニンをまわりの角化細胞にも分配します。
- 基底細胞の核の上にメラニンを乗せ、皮膚内部にある細胞の大切な遺伝子が紫外線で傷を負わないように守ります。
このように、メラニンは太陽光の中に含まれる有害な紫外線を吸収・散乱させて、肌へ影響が及ばないようにガードしています。
(2) メラニン色素の量が増える原因は2つ
○紫外線による日焼け
○体調の悪化
これまでの測定結果から、体調を崩して寝込んでいた方は
- ◎メラニン色素の量が増えて、メラニン値が高くなる
- ◎安静に過ごしていた(一次刺激性物質と接触しなかった)ため、紅斑値が下がる
という傾向があることが分かっています。
体調が悪くなると、身体の防御反応としてメラニン色素の量を増やすというメカニズムが働き、メラニン値が上昇するようです。
メラニン値の上昇で肌が黒く見えるかどうかは、数値の上昇の程度によるようです。
体調を崩したときは、日焼けをしたときほどメラニン値が大きく上昇しませんから、
肌の色が変化しにくいのです。体調を崩していた人の場合、メラニン値が上昇すると同時に
紅斑値が下がっているために、見た目にはむしろ色が白くなったように感じられます。
(3) シーン別紫外線対策の方法
皮膚のバリア力が保たれている健康な肌なら、日焼けをしてもシミにはなりません。
強い紫外線にあたることで色素沈着やシミになることを心配しなければならないのは
【傷んでいる肌】。一次刺激性物質と接触して炎症を起こしている部分、火傷や傷が修復できていない部分がある肌です。
傷んでいる部分に強い紫外線があたると、さらに炎症が進み、肌は色素を沈着させて
肌の内部を守ろうとします。肌の弱い人が皮膚のバリア力を落とさないためには、
- 〇一次刺激性物質と接触しないこと
- 〇運動・栄養・休養による体調管理をすること
日焼け後の肌の回復を妨げないためにも、一次刺激性物質との接触と、心身の健康に気を配りましょう。
◆通勤や通学、買い物程度の外出
"肌に何もつけないこと"が一番のシミ・シワ予防になります。
ファンデーションや日焼け止めをつけるのではなく、日傘や帽子、長袖の衣類で紫外線をガードしましょう。
※UV加工の帽子などをはじめとする紫外線グッズは、自宅で洗濯しても加工が落ちにくく肌にトラブルが出ることがあります。
帽子をかぶるときは素材に加工が施されているかどうかをチェックし、
指定の洗濯洗剤で2回以上洗濯してから使う必要があります。
◆公園でお子さんと遊ぶとき
帽子や長袖の衣類で対策をすることができます。日陰も上手に利用しましょう。
◆ウォーキングをするとき
紫外線の強い季節(5~8月)は紫外線の強い時間帯(10~14時)を避け、
朝や夕方の時間を選ぶとよいでしょう。
◆夏場の海や山などの屋外で長時間過ごす場合は、日焼け止めをつけましょう。
炎症が起きるほどの強い日焼けをすると肌を傷めてしまうためです。
4)水について
(1) 軟水と硬水、肌によいのはどちら?
水には、カルシウム・ナトリウム・カリウムなどさまざまなミネラル成分が溶け込んでいます。ミネラル分が多く含まれると水の味は硬く感じられ、少ないとやわらかく感じられます。
水の硬さを科学的に算出した数値は「硬度」と呼ばれますが、これらは、ミネラルの主成分であるカルシウムとマグネシウムの量を測定したものです。
【硬水とは】
硬度の高い水のこと。カルシウムとマグネシウムの量がリットル当たり357mg以上
(硬度357)の水を指しています。アメリカやヨーロッパの水に多く見られます。
【軟水とは】
カルシウムとマグネシウムの量がリットル当たり178mg未満(硬度178)の水を
指しています。日本の水道水は軟水です。工業用水に向き、飲用、炊飯にも適しています。
肌に触れて皮膚に影響を及ぼすものは一次刺激性物質です。一次刺激性物質が含まれていなければ軟水でも硬水でも肌に影響を与えることはありません。
非接触生活では石けんの使用を勧めていませんが、石けんを使う場合は硬水では泡立ちが悪くなります。硬水のマグネシウムイオンと、脂肪酸ナトリウムの塩である石けんを組み合わせると、不溶性の塩(石けんカス=脂肪酸マグネシウムなど)が生じるためです。
(2)水道水の肌への影響
水道水は飲める水ですので、水道水に含まれる程度の塩素が肌に影響を与えることはありません。 塩素は水道水を"消毒"するために入れるものです。
飲用水道水は「病原菌等の繁殖」を防ぐため塩素の使用が必須となります。
WHO(世界保健機関)の「飲料水水質ガイドライン」によると、塩素のガイドライン値は5mg/Lとされています。このガイドライン値は、生涯にわたって水を飲んでも人の健康に影響が生じない濃度を表しています。
東京都水道局では、残留塩素濃度を水道法で定められている0.1mg/L以上、水質管理目標設定項目の目標値である1mg/L以下を蛇口において常に確保できるように管理しています。水道水は安全な水なのです。
(3)プールでの刺激の理由は
文部科学省「遊泳用プールの衛生基準について」によると、水道水の塩素濃度は0.1mg/L以上1mg/L以下。
プールの塩素濃度は0.4mg/L以上1mg/L以下です。
両者にはあまり差がありません。
プールでの刺激の原因は「結合塩素(クロラミン)」という物質です。
プールには多くの人が入ります。汗や体の汚れが水中に溶けて生じたアンモニア性窒素と塩素が反応すると結合塩素(クロラミン)という物質が生成されます。
クロラミンは皮膚、目、呼吸における刺激や痛みとともに、不快な臭いのもととなります。クロラミンには「モノクロラミン」「ジクロラミン」「トリクロラミン」の3種があります。
そのうち、ジクロラミンとトリクロラミンが以下の刺激を起こします。
- 目の赤み、ひりひり感
- 鼻、のど、肺のひりひり感
- 肌のかゆみ、乾燥、髪のぱさつき
混んでいる時間帯や、子供のスイミングスクールの後はクロラミン量が多くなります。
プールに入って肌トラブルが出る、悪化するという方は、朝や休み明けなど、クロラミンの生成が少ない時間帯に利用するとよいでしょう。
プールやジムでは、水の影響以上に他人の使用しているシャンプーや日焼け止め、抗菌スプレーなどとの間接接触による影響が大きくなります。